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なんだか周りが騒がしい気がする。 もちろん耳が聞こえないので詳しくはわからないが、ぼくの入っている棺桶が激しく揺れている。結構な衝撃。結構な回数。 大方、外からこの棺桶を蹴ったり殴ったり揺らしたりしているのだろう。あれだけ人を傷つけておいてまだ飽きないのか。しつこいにも程があると思う。 そろそろ体が辛い。元々肉体的ないじめで僕の体はダメージを受けていたんだ。鼓膜は破れて音は聞こえず、口元も切れているのかズキズキ痛む。もはやどこが一番痛いかなんてのは分からなくなってきていた。 体中のすべての部位が悲鳴をあげている。僕自身は絶対に悲鳴をあげなくても体はそうはいかない。体中から血液が流れ出て、青あざなんて数え切れない。骨折しててもおかしくないだろう。 そんなボロボロな状態なのに寝かせることもせずに棺桶に入れられる。しかも立たせて。 鬼畜な人だな熊田は。見くびっていたようだ。 ともかくこんなにも強い痛みといじめからはやく抜け出したい。 さて、どのように抜け出そうか。光はひとすじも僕のところには差し込まない。紐で手を後ろ手で縛られているので動けない。単純に体が痛くて精神的に参っている。こんな悪条件の脱出劇が今までにあっただろうか。あったら全米が泣いたとキャッチコピーを入れてあげてほしい。 試しに棺桶を内側から足で蹴ってみる。 ガンガン。ガンガン。ガンガン。 まあ、何も変わりはないとは分かっていた。ただつま先が痛くなっただけだ。ただでさえ巻き爪なのに悪化してしまうじゃないか。 次に縛られた手を色々な方向に曲げてみる。結構頑丈に絞められているため、あまり効果はなさそうだ。紐が手首に食い込んで痛い。 八方塞がりだ。もう何も抜け出し方は浮かばない。正確には考えたくない。もう眠いんだよ。
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