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私の顔はもう真っ赤だ。
「か、からかわないで!」
「だって菜々瀬さんが可愛いから」
な、なんで急にそんなに余裕たっぷりなの……!?
ふと泉水くんが呟く。
「やっぱりもう少し」
「もう少し」の意味を考える間も無く、泉水くんはもう一度私の唇にキスをする。
今度はチュッと軽い音を立てて。
湯気を出さんばかりの私に向かって、彼はもう一度「好きだ」と微笑んだ。
そして腰を落として私の耳元で囁かれると、私の腰はあっさりと砕け落ちる。
「……菜々瀬」
「ごめんごめん」と照れ笑いしながら私の腰を支える彼はおそらく、どれだけ自分が甘い声で私を呼んだのか気付いていない。
それは間違いなく、「お兄ちゃん」じゃなくて「彼氏」の声だった。
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