四章

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私の顔はもう真っ赤だ。 「か、からかわないで!」 「だって菜々瀬さんが可愛いから」 な、なんで急にそんなに余裕たっぷりなの……!? ふと泉水くんが呟く。 「やっぱりもう少し」 「もう少し」の意味を考える間も無く、泉水くんはもう一度私の唇にキスをする。 今度はチュッと軽い音を立てて。 湯気を出さんばかりの私に向かって、彼はもう一度「好きだ」と微笑んだ。 そして腰を落として私の耳元で(ささや)かれると、私の腰はあっさりと砕け落ちる。 「……菜々瀬」 「ごめんごめん」と照れ笑いしながら私の腰を支える彼はおそらく、どれだけ自分が甘い声で私を呼んだのか気付いていない。 それは間違いなく、「お兄ちゃん」じゃなくて「彼氏」の声だった。
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