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「菜々瀬さん!」
そこには息を切らす泉水くんがいた。私の目が点になる。
「泉水くん……」
「よかった……まだ帰ってなかった……」
泉水くんは息を整えながら安堵する。そしてめぐちゃんに尋ねる。
「ちょっとこの人、借りていーすか?」
「ぜんぜんいーよぉ」
めぐちゃんが私の背中を押した。
「ちょ、ちょっと……!」
まだ心の準備が出来てないのに……!
「……ありがとうございます」
「!」
泉水くんは私の返事を待たずに私の手を握る。その手は少し温かくて、ほんのちょっとだけ汗ばんでいた。
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