四章

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こんな強引な泉水くんは初めてだ。 どんどん、私の鼓動が大きくなっていく。たまらなくなって私は彼の名前を呼んだ。 「泉水くん!」 校舎裏まで来て、泉水くんはようやく振り向いた。 いつもの優しい雰囲気じゃない。真剣な目つきに、私は息を呑む。 「あなたは大学でどんないい男に会えるかわからない、俺なんかより魅力的な男はいくらでもいる」 「そんなこと」 ないよ、と続ける前に私の言葉は遮られた。 「妹なんて思ってる訳ないだろ……?」 「え……?」 泉水くんの声の調子が強くなる。 「あなたを譲りたくないんだ、他の男に。俺の菜々瀬さんじゃないと嫌なんだ」 続く言葉に期待が膨らんだ。 「好きなんだ。あなたが誰よりも」 嘘みたい。泉水くんが、私を好きだなんて。 返事をしなきゃ、でもどんな言葉なら今の私の気持ちは伝わるのだろう? 考えても分からなくて泉水くんの胸に飛び込む。びっくりした泉水くんが、戸惑いながらも私を受け止めた。 「ちょ……菜々瀬さん!?」 「嬉しいよ……。私も、泉水くんが大好きだもん……」
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