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干天の慈雨 ーかんてんのじうー
生命の源、生命の誕生は、雷によるものである、とする説がある。
生きとし生けるもの、全てがそこから始まったとすれば、神のみわざであるとも、言えるのでは無いかと思えた。
生命誕生からどれだけたったのか、人類が誕生し、文化が広がり、かつて無いほどに、大地を席巻している。
(で、どうしてこうなってるの……)
なんだか哲学的な事を考えて、現実逃避してみたけど、どう見ても私の知ってる世界じゃない。
いや正確には、知識では知っている世界かもしれない。
なんだか、歴史で習ったような、古い建物が立ち並んでいる。時代がいつかなんて知らない。
(タイムワープとかいうやつ?日本っぽいけど……)
ため息をついて、寝殿造と呼ばれる建物から外を見渡していた。
ここに来たばかりの私は、ここがどこなのか分からず右往左往していたら、ここの屋敷の主人に助けてもらい、今ここにいる。
(建物と服装からして、平安時代。もしくは、いずれの時代の京都なのかな)
そう思いながら、御簾の向こうを見やる。どうも何か問題があるらしく、ここの主人と寝殿と呼ばれる場所で話をしているようだ。
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