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お前には10円があるではないか
「はっ!ヤベっ!」
俺は、がばっと体を起こすと、目覚まし時計を確認しようと手を伸ばす。
「あれ?目覚まし?どこ?」
キョロキョロと目覚ましを探すが、見当たらない。
今何時だ?
あ~、ヤバいよ。絶対に寝過ごしてる!
今日はバイトの面接だってのに。
それにしても、ここはどこだ?なんだか、俺の部屋じゃないっぽい。
周りの壁は全部真っ白。病院?
これまた白で統一されてる清潔なベッドは明らかに俺の汚ベッドではない。
「お目覚めですか?キザキ ケンジさん。」
へ?なにこいつ。
目の前には、黒ぶち眼鏡の男子中学生が立っていた。
「誰?お前。」
「申し遅れました。僕は、あなたを担当させていただく死神です。」
「はぁ?ナニ言ってんの?」
「キザキさん、認めたくないのはわかりますが、あなたは今朝死亡しました。」
「おい、ふざけんな。何で俺はこんなところにいるんだ。ここはどこだ?」
「ここは、現世とあの世の境目で、僕は黄泉先案内人の死神で、新人のサトウと申します。」
「いやいや、意味わかんねえ。超健康体の俺が死ぬわけねえ。寝る前にピンピンしてて、起きたらいきなりあなたは死にましたなんて言われて誰が信じるんだよ。あ、これってさ、ドッキリだろ?」
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