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(みんな幸せに暮らしてる。よかった……)  私のいない世界。そこには、皆が幸せに暮らす様子が広がっていた。  ある石碑の前にひざまずく、一人の老婆を除いては…… (かあさん……)  手を合わせ、祈る母親が、随分と歳をとっていた。そりゃそうよね、もう二十年にもなるのだもの。  今は、水難(すいなん)(まぬが)れ、幸せそうな笑顔を浮かべていることに、安定した生活がおくれているのだと感じていた。  まだ、私が生きていた頃は、皆、一様に疲れ果てていた。それを今でも鮮明に思い出せる。
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