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Life is happiness
生まれた時から恵まれていたと思う。
大好きな母にたくさんのお乳を与えられて、暖かい寝床で共に眠る。
何でもない、当たり前の幸せ。
でもしばらくして幼い私を残して愛する母が死んでしまったの。とっても悲しかったわ。
そんな悲しみに沈む私を大家族が引き取ってくれて、一番上のお兄さんが私の面倒を見てくれるようになったの。
母に代わって。いえ、それ以上に私に愛情を注いでくれたわ。
いつもおいしいミルクを飲ませてくれて、フカフカのお布団で寝かせてくれる。
私がどんなに部屋を散らかしてもいつもきれいに整えて、隅々まで掃除してくれる。
それが済むと私の頭を撫でては丁寧にブラッシング。
病気になった時はつきっきりで看病してくれて、恥ずかしかったんだけど「これも大事なことだから」って言ってお兄さんは排泄物までしっかりチェックして私の体調を気遣ってくれた。
元気になって、兄弟やお友達と広い草原で駆けまわる私を見て、お兄さんは優しく微笑んでいて。
その笑顔がとってもキュートでカッコよくて、私この人のお嫁さんになりたい、と何度も願ったわ。
だけどある日、お兄さんがとっても沈んだ顔をして言ったの。
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