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だからせめてお外に出て運動しようと思ったんだけど、おじさんはお外に出ちゃあダメって言うのよ……。
そんな風にして、たくさんご飯を食べるだけ食べてお外には出られない日々がしばらく続くと私はだんだんイライラしてきたわ。
狭いお部屋でじっとしていると、胸の中では疑問ばかりが渦巻くの。
どうしてお外に出れないの?
どうして太陽の光を浴びれないの?
どうしてお友達と一緒に走れないの?
どうしてどうしてどうして……!!!
いい加減お外で思いっきり遊びたいの!!
鬱々と過ごす日々が限界にさしかかる頃、お家の前に一台の荷馬車がやってきたわ。
それを見て私は閃いたの。
ここに来た時もこの乗り物でやってきた……ということはまたこれに乗れば、今度はもしかしたら広いお庭で走れるお家に行けるかもしれない、って。
一目散に荷馬車に向かって突進したわ。引きずり下ろされないように荷台の一番奥をさっさと陣取って。
さぁ、私を早く広い大地へ連れて行ってちょうだい。
そんな私の様子を見て、おじさんと御者さんが何やら話してる。
「いゃあ、たまげた。なんと元気な子がいたもんだ」
「ハッハッハ、あの子はうちの子の中でも最上級の上物さ」
「だいぶ気が立ってるが、荷馬車が壊されないか心配だなぁ」
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