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空が少し明るくなった。
機材を積んだ2台は市内に戻り、荷物を降ろして解散ということになった。
ひーちゃんの出勤の時間が迫っていて、私を送る時間がない。
それなら、
と矢野くんが送ってくれることになった。
みんなで仕事へ向かうひーちゃんを見送り、
矢野くんの運転で私の部屋まで向かう。
矢野くんはいろいろ話していたが、創はやっぱりあまり話さない。もともと口数が少ない人なのだろう。
お礼を言って車を降りた。
創は助手席から「またね」と言った。
すぐにでもメールを送りたい気持ちだったが我慢をした。できれば創から連絡をしてほしかった。
部屋についてもさっきの創の叩く姿が浮かぶ。
そのまま横になり朝陽を遮るようカーテンを閉め眠ることにした。携帯は枕元に置いた。
いつ創から連絡がきてもいいように。
目覚めて携帯をチェックしたが、メールはない。
いつもわりと容易く恋を重ねてきた私にとって、創は珍しい部類に入る。連絡先を教えさえすれば相手から押してくるのがいつものパターンだった。
でも創はそうじゃないらしい。
それとも私に興味ないのかな
独り言をいってカーテンを開ける。
真っ青な空に白い雲。
大好きな夏がもうすぐそこだ。
楽しい夏になればいいけど。
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