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しかし、数週間後、そんな私の願いも虚しく携帯ある連絡が入る。
父が行方不明になったとの連絡とーー。
そして、東北に戻ろうとした直後に入った父が亡くなったとの悲報。
私はその話しを聞き、怒りの矛先を何処に向けたら良いか分からなくなった。
話しによると父は、冬の海でテトラポットで足を滑らせ脛椎を強打。
即死だったとの事だった。
その後、父は海に落ちたらしい。
故に父は行方不明となった。
しかし、父はまるで戻って来ようとしていたかのように捜索二日目に、岸辺に流されてきたらしい。
現実味はなかった。
しかし、帰ってくるなり棺の中に収まった父の遺体を見た瞬間、それが現実であると改めて認識する。
それは受け入れ難い現実だった。
私は思いを抑えられなくなり雨降りしきる中、父が発見されたとされる浜辺へと向かう。
父は何を思い海を見に行ったのかーー?
そんな思いで一杯だった。
だが、雨の中、浜辺を見詰め続けるもただ悲しみと、悔しさが込み上げてくるのみ。
そして、ただ後悔だけが残された。
唯一の救いは父の死が自殺ではなく、事故死だった事..。
しかし、そんな私達に追い討ちをかけるように警察が父の死を自殺と断定した。
警察がそうしたのは恐らく、再調査するのが面倒だったからだろう。
故に死亡診断書には父の死を自殺と明記されていた。
私達は、その理不尽を医者に問い詰めるが医者は警察の判断と逃げ、警察は警察で自殺の可能性もあると言っただけだと、誤魔化す有り様ーー。
だが、その理不尽は警察に限った話しではなかった。
父の死と同時に、付き合いのあった様々な人達の醜い一面を目にする事となった私は、人間不信となり母は鬱を患う事なる。
その後、私は夢を捨て母と共に家業を従事する事となった。
何故、そうしたのかーー。
理由は一つ....。
後悔をしていたからだ。
それに弟はダンサーになる夢を追っている。
だが、どちらかが母と共に居なければならなかった。
二人か夢を追うことは不可能。
何より弟は精神的に脆い人間だ。
私が夢を追えば弟は恐らく、人生投げやりになる事は間違いあるまい。
「自分が残るよ..。」
私は即座に切り出した。
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