守り抜く透明な意義よりもそれを

1/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

守り抜く透明な意義よりもそれを

「桜、ごめん、私の代わりは大変でしょ」 「芙蓉姉さん、早く寝て!身体に障るでしょ」 「喋ってた方が私は元気になるの、わかるでしょ?」 「それはそうですけど……」 「清文と仲良くなった?」 「何で知ってるんですか!」 「椿に聞いちゃったー」 「椿またここに来てたんですか、芙蓉姉さんは休んでないといけないのに……」 「椿も寂しんだろうね、本当、それは申し訳ない」 「……」 初めて見た芙蓉姉さんの弱々しいその顔に、私はどんな言葉を発したら良かったのだろう。 「ね、今日はもう寝てくださいね、私戻りますから」 「桜」 「はい」 「清文が好き?」 「え、いえ、あの」 「可愛くなったね」 「芙蓉姉さん!」 「お前はお前の幸せを願っていいんだからね」 「違いますから!もう!おやすみなさい!」 「はいはい、ありがとね」 大好きな芙蓉姉さんはもういない。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!