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守り抜く透明な意義よりもそれを
「桜、ごめん、私の代わりは大変でしょ」
「芙蓉姉さん、早く寝て!身体に障るでしょ」
「喋ってた方が私は元気になるの、わかるでしょ?」
「それはそうですけど……」
「清文と仲良くなった?」
「何で知ってるんですか!」
「椿に聞いちゃったー」
「椿またここに来てたんですか、芙蓉姉さんは休んでないといけないのに……」
「椿も寂しんだろうね、本当、それは申し訳ない」
「……」
初めて見た芙蓉姉さんの弱々しいその顔に、私はどんな言葉を発したら良かったのだろう。
「ね、今日はもう寝てくださいね、私戻りますから」
「桜」
「はい」
「清文が好き?」
「え、いえ、あの」
「可愛くなったね」
「芙蓉姉さん!」
「お前はお前の幸せを願っていいんだからね」
「違いますから!もう!おやすみなさい!」
「はいはい、ありがとね」
大好きな芙蓉姉さんはもういない。
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