12人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
遊びに出かけようと玄関を出ると、「どこにいくの?」と声をかけられる事が続き、次第に友達との約束も断る様になった。
義母に「家にいるなら、毎日の水やりをお願いね」と言われ、畑の水やりも私の仕事になった。
だけど、水やりは嫌ではなかった。
ゆすら梅やいちごなど季節の果物を、水やりしながらつまみ食いをしていた。
水やりのご褒美と自分を納得させて。
あの日も、義母に「水やりお願いね」と頼まれた。
そして、あの赤い実を見つけたのだ。
今まで気づかなかったのはなぜだろう。
私が水をかけると、赤い実がプルプルと揺れる。
最初のコメントを投稿しよう!