私の死んだ理由

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すると、教室からはなぜか生徒達の歓喜の声が聞こえてきた。 教室の真ん中に人が集まり、皆喜びの声をあげている。 「もう、こんな花瓶なんか置いてあるなんて、死んだ人みたいだよ」 沢山の声の中ではっきりと聞こえる声、彼女の声。 彼女は生きていたのだ。私は死んで、彼女は一命を取り留めた。 教室の隅にぽつんと佇んでいる落書きでいっぱいの汚れた机の上には、小さな花瓶に、黄色いカーネーションが一輪、挿されているだけだった。
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