0人が本棚に入れています
本棚に追加
「えーと、420番さんねー。君、なんで自分が死んだのか、覚えてる?」
「え…覚えてないです」
「あー、じゃあ、どうやって死んだのかは?」
突然の事で何もわからないはずなのに、声は自然と答えていた。確かに、なぜ自分が死んだのかなんて、脳みそ中のどこを掻き回しても出てこないだろう。死んだ実感すら未だ湧いていないのだから。
だけど、どうやって死んだのかと聞かれた時、ふと思い出したように頭の中に映像が流れてくる。
学校の屋上…女子生徒同士が揉め合っているようだ…崩れた手すりと一緒に落ちてゆく顔の整った女の子……これは、私?
「あー、覚えてるっぽいねー。じゃあ、君はまだ川には渡れないよ。自分が死んだ理由を思い出さないと。」
気だるそうな声が耳に入ったと思った刹那、私はどこかの学校の教室にいた。
最初のコメントを投稿しよう!