二振り目 怒りの矛先

2/6

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「何故新撰組は漆黒と戦わなかった!? お前たちが出ていたら、村のみんなが慌てなくて済んだのではなかったのか?」 「...その通り。しかし、今我々はある作戦の元動いておる。それに、漆黒の動きは本気ではなかった。故に我々は作戦通り事に当たることが出来たという事だ」 「...その作戦が何かは知らないが、そのせいで俺の弟たちはお前の部下に殺されたんだ!!」 「...まさかとは思うたが、貴殿は刀鍛冶の斎造か?」 「だったら何だ!? それとこれとは関係ない、話をすり替えるな!!」 「...その者たちはすでに我ら新撰組に非ず。とうの昔にこの隊を去った裏切者たちよ。我らに問われても困るというものだ」 「ふざけるな!! その裏切者を野放しにしていたせいである以上、お前たちに責任が無いとは言わせないぞ!!」 「...確かに。鴨たちを始末しなかった...いや、始末出来なかった私には重い責任があるな。しかし、他の隊員たちには罪は無い。これであいこ、という事には出来ないだろうか?」 「...だとしたらまだ足りない物があるだろう」 「...私の首か」 「そうだ...今ここで責任を取れ」 「...今私が居なくなれば、貴殿は他の者に殺されてしまうであろう。ここでバーサスを失う訳にはいかぬ...私が責任を取るのはしばし待ってもらおうか」     
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加