二振り目 怒りの矛先

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「この力の事を知っているのか?」 「勿論。我が愛刀、長曽祢虎徹にも力は備わっておる。この『リヤン』の力が」 静かに抜刀する近藤勇、赤銅の重戦士『リヤン』に換装。 「アンタも同じ力を...」 「いや、この力は貴殿のそれとは違う...その真紅の力は時代を変革する力。故に失う訳にはいかぬのだ」 「ならばお前を討ち取った後でこの刀奪えば済むんじゃ無いのか?」 「そういう訳にはいかぬ。力の発現はひと時代に一人きり。この『リヤン』もその『バーサス』も使用者が死ねば力を失い、ただのなまくらになってしまうのだ」 「そうか...アンタも今死ぬ訳にはいかないみたいだな。でも俺はアンタを許す事は出来ない」 「であれば、相手をしよう。だが今の貴殿の力では私を討つのは不可能だろう」 「俺がアンタより弱いって言いたいのか?」 「そう...しかも、そのバーサスの力を引き出せていないように見える」 「刀の扱いには自信があるつもりだ。現に、さっきもアンタの言う裏切者を斬り伏せたんだからな」 「それは、奴の油断によるものだろう。私は奴の様に甘くはない。それに、刀鍛冶をやる以前の貴殿であれば良い勝負になったかも知れぬな..."真田の轟槍"と謳われたあの頃ならばな」     
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