三振り目 血の黙示

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三振り目 血の黙示

「..........漸く動き出したようじゃが、出番はないとありがたいぜよ」 二丁の銃を眺めながら男は呟く。 近藤局長に敗北してから毎日、俺は新撰組の隊舎に通い昔の勘を取り戻すための訓練をしている。真田の轟槍と呼ばれていたあの頃に...とはいえ今の得物は刀二振り、戦い方に大きなズレがある。 共に研鑽を積む相手として沖田総司と山口次郎が充てられる。沖田は天才と呼ぶべき剣の申し子...山口は純粋な強さを持っている。 2人の剣は昔の俺を思い出させる...あの時の血の匂い...戦場を駆け抜ける高揚感。 程なくして俺は全てを取り戻した。 「局長、バーサス...斎造殿は勘を取り戻した様でございます」 「そうか...頃合いだな。総司に変わりはないか?」 「は? いえ...何もないかと」 「そうか...ならば良い」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「真紅の狩り時か...守りを固めておけ」 「はっ!!」 「.....光秀、来るならばここぞ。来ぬならそれまで...」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~     
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