5人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
三振り目 血の黙示
「..........漸く動き出したようじゃが、出番はないとありがたいぜよ」
二丁の銃を眺めながら男は呟く。
近藤局長に敗北してから毎日、俺は新撰組の隊舎に通い昔の勘を取り戻すための訓練をしている。真田の轟槍と呼ばれていたあの頃に...とはいえ今の得物は刀二振り、戦い方に大きなズレがある。
共に研鑽を積む相手として沖田総司と山口次郎が充てられる。沖田は天才と呼ぶべき剣の申し子...山口は純粋な強さを持っている。
2人の剣は昔の俺を思い出させる...あの時の血の匂い...戦場を駆け抜ける高揚感。
程なくして俺は全てを取り戻した。
「局長、バーサス...斎造殿は勘を取り戻した様でございます」
「そうか...頃合いだな。総司に変わりはないか?」
「は? いえ...何もないかと」
「そうか...ならば良い」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「真紅の狩り時か...守りを固めておけ」
「はっ!!」
「.....光秀、来るならばここぞ。来ぬならそれまで...」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最初のコメントを投稿しよう!