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五振り目 真実の名
「..........哀れ」
バーサス・トライゾン・ミゼリコルドは地に伏せ倒れていた。
「宴はここで終いぞ。つまらぬ幕引きであった...おぉ、山南に土方...それから沖田だったか? 山南の言うた通り、生きる事を望んだか」
「まさか、近藤局長は...」
「死んだ...我々に組み従わなかった故に局長には眠ってもらった。我々は同じ目的の同志と共に生きる事を望んでいるのだ。局長は...死を望んだという事」
「沖田総司も同じか?」
「...そう。この病を治す手立てがあるのならそれに縋る。死ぬのなら病ではなく、戦いの中で逝きたいと願ったまで」
「...忠勝、お前まで裏切るとは思わなかったぞ。何故だ、何故信長につく!?」
「拙者も長く生きるのならばと考え直した次第」
「6対3となったわけだが、まだ歯向かうか、光秀?」
「...くっ、何も出来なかった。あの時見た光景が全く現実にならないとは...」
「アレか...あれは余が山南に命じて見せた幻ぞ。希望を見せることで光秀がバーサスを連れて来ると思った故のこと」
「全て、掌の上で操られていたという事か」
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