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「おらか? おらは、坂本龍馬っていう今はただの男ちや。がけにいっさん山南さんに未来を見せてもろーたら、おらは新撰組に殺される未来じゃったから、山南さんに誘われて断ったがけんどまさかこがな事になっちゅうとは思わなかった」
「坂本...龍馬。断ったという事は死を受け入れたと?」
「確かに余計な事にゃいらわらん方がおらにかぁーらんと思ったが、様子を見るに助けがいるかと思ったがけんど違ったかぇ?」
「違わない。だが奴らに対抗するには特別な力が必要だが...」
「ほりゃあこれのこらぁな?」
坂本龍馬は刀を抜くと赭の銃戦士『イデアル』を換装する。
「おらの力は刀ばあにあらず、この二丁のピストルも味方してくれるみたいだ。いつまでも沈きいないで奴らを追いかけた方がえいががやないが?」
「心強いな。バーサス...いや、斎造殿だったか? どうする、斎造殿はここで諦めるのか? それとも共に戦ってくれるか?」
「俺は.....」
斎造は槍を持ち立ち上がり、周りを見る。
「ここで諦める訳にはいかないな。俺も弟たちに顔向け出来ないし、この槍にも悪い気がする」
「そうか...ならば共に行こう」
「待ってくれ、あっしも同行しても良いだろうか? あっしは信じていた忠勝に裏切られた...その落とし前をきっちりつけてやりたいんだ。どうだ、こんなあっしでも同行を許してくれぬか?」
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