六振り目 足利義教

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六振り目 足利義教

・・・・・ 「道行く人の格好があっしらと違うようだが...一体どれ程長い時間を移動したのか」 「服装は違えど、街並みは変わっていない様に感じますね」 「あぁ。しかし、皆帯刀していないようだが...」 「帯刀を許してないがか、ほれとも平和になったか」 「足利義教たちはこの時代には来ていないのか? もし前者なら奴等にも影響があるはず...」 「ちょいちょい、そこのお侍さんたち。"廃刀令"を知らんのか!?」 小太りのオヤジが真剣な面持ちで4人に話しかけてきた。 「"廃刀令"それは一体?」 「知らんのかいな。廃刀令っちゅうのはな、まぁ要するに帯刀を禁止するっちゅう話や。軍人さんや警察官史にだけしか今は帯刀を許されてないんや。お兄さんたち、刀隠しといた方がいいで?」 俺たちは人里離れた辺鄙な地から訪れた流浪人という事で今何が起きているのかということをオヤジさんに事細かく話を聞けた。 オヤジさんの話では今は明治時代、明治政府の政策により、この時代では士族の特権の廃止が行われているらしい。そして軍人や警察官史...俺たちの知らない組織の導入。 時代を渡るというのがこれ程大変な事とは知らなかった。     
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