六振り目 足利義教

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幸い刀の所持については禁止されておらず、俺たちは刀を隠し先ずは、オヤジさんの勧めで旧幕府軍の勝海舟に会う事に決めた。 しかし現在、勝海舟は何らかの政策に携わっており会うことは叶わなかった。勝海舟の従者たちに事情を説明すると力になってくれるそうで、暫くの拠点として離れを貸し与えられた。 「すんなり離れを貸してくれるとは。けんど、おらたちの事を疑いもしやーせんがはちっくと不安が残るぜよ」 「うむ。しかし背に腹はかえられぬ...流れに乗るのも一案としてここは耐えようぞ」 「・・・・・」 「斎造殿? 如何された...何か他に気になる事が?」 「いや、あの男...足利義教の事を考えていた」 「「・・・・・」」 「おらは詳しく知らんから話して欲しいぜよ。いったい何があったがか?」 「その足利義教とは、私が元々いた時代...室町時代中期。あの男は足利持氏を滅ぼすと守護大名の相続問題に干渉し、幕府権力の伸張を図ったため赤松満祐と私は足利義教の元へ赴いたのだが...既にそこにあの男はいなかった。あったのは皆も通ったあのワープホールただ一つ。私はあの場を赤松満祐殿に任せ表向きには足利義教を死んだ事にし私はワープホールへ向かった」 「その先は何処へ繋がっていたんだ?」     
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