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兄の足元に転がる二本の刀と2人の首。
「あ、あああっ、しんのすけ、かんたろう!?......ああああああ。うあぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「五月蝿ぇな。お前が腰抜けなのが悪いんだぜ。ほら、悔しかったらその刀で俺達を殺してみろよ?」
二本の刀を掴むが腰が引けていてどうにもならない。
「あっはははははは!! やっぱり腰抜けじゃねぇか。そんなんで俺達を殺せんのか? あ!?」
(こわい、怖い、恐い、ししし死にたくない死にたくない。でも2人を...弟たちを殺した!! 赦せない。殺してやる...殺してやる)
刀が...抜けないなら殴り殺して...
「何だ? 抜かねぇのか? しかも、二刀流ってか? 手を出すなよ。コイツは俺の獲物だからな」
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「逝ねやー!!」
刃と鞘がぶつかり合う。と同時に鞘がバキバキと音を立ててひび割れていく。
「な、何だ!?」
「こ、これは、一体!?」
二本の刀が鞘から放たれた時、力は発現される。兄の身体は真紅の鎧に包まれる。
「ま、まさか。これは『バーサス』の...」
「バーサス? 刀が...成長したのか?」
「いいぜ。その刀...俺に寄越せぇ!!」
キンっという音と共に吹き飛ぶ刀と新撰組の男の首。
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