二振り目 怒りの矛先

1/6

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ

二振り目 怒りの矛先

漆黒の兵は好機にもかかわらず撤退し、村の被害はほとんどなく村人は安堵の息を吐く。 しかし、この非常時に新撰組は我関せずを貫いていた。 「局長、村人から不満の声が上がっております」 「...それは、当然の事であろう」 「本当に土方副長の事は宜しいのでしょうか?」 「決めたのは山南と山口だ。私が否と問うても仕方あるまい」 「...沖田殿が昨日、芹沢鴨が殺される場に居合わせたようでございます」 「...あの人は誰に?」 「沖田殿の話によると真紅の戦士によると...」 「真紅!? ...まさか、バーサスか?」 「おそらくは...その通りかと」 「...総司は何処におる?」 「沖田殿でしたら剣の稽古をつけていらっしゃるところで...」 「局長!! 敵襲であります」 「漆黒か!? しかし、早すぎでは無いか?」 「いえ、漆黒ではありません。真紅の鎧を纏う二刀流の剣士が!?」 「...!? バーサスか」 「ぐあぁ!!」「ぐっ!?」 「うあぁぁぁ」 隊員たちの悲鳴が鳴り響く。 「近藤勇は何処にいる!?」 「私ならここにいる」 対峙する新撰組局長・近藤勇と真紅の戦士バーサス。     
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加