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二振り目 怒りの矛先
漆黒の兵は好機にもかかわらず撤退し、村の被害はほとんどなく村人は安堵の息を吐く。
しかし、この非常時に新撰組は我関せずを貫いていた。
「局長、村人から不満の声が上がっております」
「...それは、当然の事であろう」
「本当に土方副長の事は宜しいのでしょうか?」
「決めたのは山南と山口だ。私が否と問うても仕方あるまい」
「...沖田殿が昨日、芹沢鴨が殺される場に居合わせたようでございます」
「...あの人は誰に?」
「沖田殿の話によると真紅の戦士によると...」
「真紅!? ...まさか、バーサスか?」
「おそらくは...その通りかと」
「...総司は何処におる?」
「沖田殿でしたら剣の稽古をつけていらっしゃるところで...」
「局長!! 敵襲であります」
「漆黒か!? しかし、早すぎでは無いか?」
「いえ、漆黒ではありません。真紅の鎧を纏う二刀流の剣士が!?」
「...!? バーサスか」
「ぐあぁ!!」「ぐっ!?」 「うあぁぁぁ」
隊員たちの悲鳴が鳴り響く。
「近藤勇は何処にいる!?」
「私ならここにいる」
対峙する新撰組局長・近藤勇と真紅の戦士バーサス。
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