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「正直言って、どうしたらいいのか迷っているところだ。組織を裏切ってまで、布井さんを探すべきなのか」
紙コップに入ったコーヒーを見つめる、その黒い双眸。
「だが、布井さんには恩義がある。俺の力が役に立つのなら、俺は布井さんを探したい」
湊人はそう言って、拳を握り締める。
「じゃあ、探そうよ。布井さん」
不意に呟いた声は、遊星のものだった。
「いや、だって」
「だっても何もないやろ。湊人にとって、布井さんは大事な人や。違うか?」
湊人は首を縦に振る。
「そんじゃあ決まりや。……今更、怖いもんなんて無いやろ」
翔大が差し出したその手を、湊人は迷うことなく握った。
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