警視庁第十九課 『七人目の大罪人』

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 『幼児連続誘拐殺人事件』とは、今から十六年前に発生した事件である。  公園で遊んでいた男児・女児合わせて三名が誘拐され、後日遺体で発見された。  犯人は遺書を残して自ら命を絶ち、被疑者死亡で書類送検となった。  湊人が記憶を頼りに事件の概要を述べると、小晴は大きく頷いた。 「布井さんは、その事件の遺族です。中野倫子も同様に、その事件の遺族です」 「つまり、『幼児連続誘拐殺人事件』を中心に、今回の事件が起きたということだな」 「はい。一課ではそのように考えています。ですが」  小晴は言葉を切り、沈痛そうな面持ちを浮かべる。
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