警視庁第十九課 『七人目の大罪人』

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「動機が分からない、ということだね」  遊星が言うと、小晴は頷いた。 「中野倫子も布井さんも遺族です。それにも関わらず、遺族が遺族を襲うなんて、一体何があったのか。一課は犯行動機の解明と同時に、布井さんが今どこにいるのか、監視カメラの解析も進めています」  湊人は「そうか」とだけ言って、その場を離れていく。 「森嶋さん、大丈夫でしょうか。最近、隈が酷いです」 「湊人にとって布井さんは、大切な人だから。自分でも思っている以上に、かなりダメージを受けてる。倒れないといいけどね」 「湊人、自分一人で抱え込むクセあるからなぁ」  翔大が顎に手を添えながら言い、湊人の後を追いかけていく。 「小晴ちゃん、湊人を支えてあげて」  遊星も、小晴に一声かけてから二人を追った。
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