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ある日、都会のスクランブル交差点の真ん中に壺が現れた。その壺の表面には象形文字がびっしりと書かれていて古代エジプトの時代に作られた物のようであった。直ぐに役所によって回収されて、専門の研究機関に送られる。 次の日、壺は研究機関から姿を消して再び同じスクランブル交差点に現れた。しかも今回は壺だけでなくその横に石柱も現れる。二つとも回収されて研究機関に送られたが、次の日には再び交差点に現れて、少しずつ増えていく。たとえ回収しなくても次の日には何かしら増えているのだ。 一年後には街はすっかりエジプトに飲み込まれていた。あと少しでエジプトの街が完成するところまできている。 エジプト文明の研究者の博士は研究結果を発表した。その街はかつて忽然と姿を消した王朝のもので間違いない。そこに住む住人たちは恐ろしい呪術を操り多くの生け贄を捧げた者たちであることが伝えられた。 何かの原因によりその王朝が現代にタイムスリップしてきているのだ。人々は恐怖した。 しかし、全ての建物が揃ってもそこに当時の人々が現れることはなかった。 博士は研究を続けて建物だけが現れた理由を探り続けた。そうしているうちに当時のファラオだけが使えたであろう呪術の書の解読に成功する。 「真に解読するためには…」 博士は影響の少なそうな呪術を唱えた。そうしているうちに徐々にエスカレートして過激な呪文も唱えるようになった。 人々はファラオの出現に恐怖した。
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