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「おい、そっちはどうなっているんだ?」
「おおむね順調。ただ、私が過去に行けないだけ」
私たちが秘密裏に作ったグループには名前はない。便宜上部活と呼んでいる。
タイムマシン(試作機)が大半を占めている部屋での作業だが、今は二人しかいないので、なんとか動くことが出来る。
「何も見えない」
「それ、多分失敗だよ」
卵型の空間に入り私は目を開けるも、真っ暗な空間を眺めるだけだった。
「夜なのかも?」
「夜でも明りはあっただろう。知らない? 星とか月とか」
「知ってる」
「何か聞こえる」
「あなたの声が聞こえる」
「じゃあ、失敗だよ」
そうかぁ、と言いながら私は卵の中から出た。
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