第一話 現世再誕……?

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「異世界に置ける神と悪魔……現実世界へ侵入してきた悪魔と、それを追って現れた神。彼らは三日間に渡って争い、その間市は住民に家から出ないよう告げるしかなかった。1月3日の朝に神々の勝利で戦いは終わった……終わったんだが、今も多くの悪魔が現実領域に潜伏しているそうだ」 「悪魔を逃がさないために神々は結界を張り、異世界領域の監視もすることになったんだが……結界の効果で神沼市は日本から孤立することになった」   神沼市を孤立させている結界は悪魔は当然のこと、人間やモノ、それこそ光や電波さえも遮断してしまう。以前間近で確認したこともあるが、神沼市と他の市の境界線には黒いカーテンが掛けられているようだった。 「孤立した神沼市で一番の問題になったのは食料……災害時の備蓄は用意されてるけど、それで市内数十万人分を賄うなんて到底無理。神様は悪魔を殲滅するまで結界は解かないと言うし、殲滅するのも何日かかるか分からない……決断を迫られた神沼市長は、異世界と交易をすることにしたんだ」 「異世界の住民に協力してもらう代わりに、この世界へ来ることを許可する。それが市が神と交わした約束。幸い、勝手に結界を張ったことは神様たちも悪いと思っているみたいで色々協力してくれているよ」  年表を書き終えると、兵藤はくるっと生徒たちの方へ向き直った。そして彼らの反応を確認しながら話を続ける。     
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