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「ここはどこだ……?」
いつの間にか、暗闇の中にいた。
壁がないか確かめるために腕をゆっくりと広げるが、何かに触れることはない。
地に足がついている感覚はあるので、少なくとも自分はどこかに立っていることがわかるが、踏み出した先に地面がある保証がなく動けずにいた。
たしか今日は大好きなゲームが映画化されたのを見るために出掛けていたはずだ。
朝飯を食べてから家を出て、たしか映画館の前までは来ていたような……。
この状況と結びつけるために必死に思い出そうとするが、その先が思い出せない。
あれこれ考えていると、突然低い破裂音と共に、目の前にスポットライトのような光が当てられた。
そこには自分より少し背の低い女性が立っている。
腰まで届きそうな綺麗な金髪で顔立ちは整っており、真っ白な修道服に身を包んでいた。
華奢な体だが、服の上からでもわかるぐらい出るところは出ていて、目の前に女神が現れたと錯覚するぐらい美しい。
「私は女神ストレです」
女神だった。
「えーっと……女神?」
頭がついていかない。
しかし、何故かはわからないが、目の前の女性が嘘を言っているようには見えなかった。
「状況を説明する前に、あなたに謝らなければいけません。私はあなたを殺しました」
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