それから…

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この頃私は 夜の仕事をしていた。 私が夜の仕事をする様になったきっかけは 彼氏に 「夜の仕事ってなんかカッコいいよね。憧れる!俺もやるからお前も夜働かない?」 と言われたから。 軽いノリで始めてみたら楽しくて。 今思えば 彼氏も最低だし 私もバカ。 彼氏は黒服をしていて 私は違う店のキャバクラで働いた。 旦那は私のお客さんだった。 年は私の3個上。 お客さんは下心がある人ばかり。 夜の世界は 男も女も汚い部分ばかりが見える。 私は男の人にうんざりしていた。 でも彼は違った。 私の心を欲しがった。 夜を一緒に過ごしても 指一本触れない様に過ごしてくれた。 そんな彼だから 気持ちを許してしまったのか 気づけば私は 一応お客さんの彼に 泣きながら仕事の愚痴や 自分のことをいっぱい話してしまってた。 彼は全て受け入れてくれた。 私が3年間抜け出せなくなっていた夜の世界から 力づくで抜け出してくれた。 「さっちゃん、どこか行きたい所ある?」 『ランド行きたいな♪』 『みなとみらい行ってみたい♪』 無理なのを分かっててノリで言ったことなのに 「よし!行こうか!」 とその日のうちに連れて行ってくれたりした。 何度も何度もそんな感じで 私が行きたいと言うと どんなに遠い所でも 色んな場所に連れて行ってくれた。 私を喜ばせようと 誕生日でもなんでもないのに 何度もサプライズをしてくれたり とにかく一生懸命だった。 全然タイプではないけど そんな一生懸命に私の事を考えてくれる彼に 私の気持ちは いつしか恋心に変わっていった。 面食いと言われる私だけど 初めて男の人を中身だけで好きになった。
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