拓真と元カレ

2/14
53人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
そのまま拓真の家にお泊まりをして 前の日あんなに泣いていたのが嘘かのように 朝には気分が晴れていた。 拓真は常に私の事を気遣って一番に考えてくれる。 こんなに男の人から大事にされていると実感できるのは初めてだった。 私が歌姫のあ〇になりきって踊りながら歌い出せば 「さっちゃんそういう事もするんだ!楽しいね☆いいねいいね!」 と褒めて?くれる。そして拓真も真似をする。 私が車の免許をとる為に勉強してると 「勉強してるさっちゃんやばい…可愛いすぎる」 と愛らしい目で私をず~っと眺めている。 「本当に大好き。ずっと一緒にいたい」 と抱きしめてくれたり 拓真と会うと全てが満たされていた。 拓真が実家暮らしだったのと 私は犬を飼っていたから 拓真の仕事の時間は 自分の家に帰る。 「部屋で待っててくれてもいいよ?」 と言われてたけど 犬の散歩やご飯をあげなきゃないから 毎日帰っていた。 拓真と付き合ってすぐ(ほんと1、2日位) 私を仕事場まで送って行ってくれた時だった。 私が「ありがとう、行ってきます」と 車から降りようとした時 「俺、さっちゃんが夜の仕事してるの耐えられない!!行かないで。さっちゃんの生活は俺がなんとかするから。お願い」 と言われ、腕を掴まれた。 出勤時間もギリギリだったから 「え…でももう行かないと…遅れちゃうから」 と言って車を降りて仕事に向かった。 仕事中の0時頃ケータイを確認すると 拓真から長文のメールが送られていた。 簡単にまとめると 「さっき強引にでもさっちゃんが仕事に行くの引き止めればよかった。ずっと考えてたんだ。やっぱりさっちゃんが今頃店で他の男と話してるとか想像すると嫉妬でおかしくなりそう。無理。俺がどうにかするから、辞めて」 っていう内容。 夜の仕事を辞めたいと思いながら 辞めて昼間働く勇気がなくて 辞めれないでいた私には 嬉しい言葉だった。 忙しかったのと なんて返信をしていいのか分からず ケータイを閉じた。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!