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拓真と付き合って4ヶ月。
生理が来ないと呟いた私に
拓真は検査薬を買ってきて
期待の眼差しで私にすぐ試す様に言った。
検査薬をテーブルに置いて2人で眺めた。
結果が出るまでの1分がやけに長く感じた。
ーーーー「陰性」ーーーー
私が検査薬を捨てようとすると
「まだ反応が出ないのかもしれない!」
と拓真は5分間位じーっと検査薬を見ていた。
『たくちゃん、陰性だよ。できてないよ』
と言うと拓真は
「これ不良品じゃない?」
とガッカリした様だった。
それから1週間経って又
拓真は検査薬を買って私に渡した。
『できてないって』
と呆れながら言う私に
「でも生理きてないでしょ?こないだ中で出したし、前回の検査薬するの早すぎたのかもよ?ほら、早くしてきて!」
と拓真は私をトイレに押し込んだ。
反応が出るのに1分と記入されているのに
もたもたトイレットペーパーで拭いている間に
既に結果が出ていた。
ーーーー「陽性」ーーーー
『たくちゃん!!!』
慌ててトイレから飛び出し拓真に検査薬を見せた。
「本当!?やったぁ!マジで!?
……………うわ…嬉しい!!!」
2人で手を取り合って喜んだ。
「さっちゃん、俺と結婚して下さい!
俺が絶対幸せにします。」
『もちろん!よろしくお願いします』
「よかった~!
考えてたんだけど、来年の1年記念日に籍入れよう!
付き合った記念日が結婚記念って分かりやすいでしょ?」
『そうだね。記念日が1つだと分かりやすいね』
プロポーズは理想のシチュエーション
では無かったけど
温かい家庭が築ける事が嬉しくて
涙が込み上げてきた。
後々考えてみると
あの時の不思議な感覚で涙が溢れた性行為は
自分よりも大切な宝物ができるという
暗示だったのかもしれないな。
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