休養(チェルル)

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「…キフラス辺りが慎重になってるのかもしれないな」  ダンの言葉に、シウスも頷いた。 「ルースにはおそらく人望はない。ジェームダルの者が引き入れた兵を従えているのはキフラスだろうの。そうなると、キフラスが動かないと決めると兵力が足りぬか」 「ノースフィリアだけではなく、西の混乱時にも人を集めるのに尽力し、兵力集めをしていたとしたら」 「そーいうの、レーティスが上手いな」 「やはり、キフラスを動かさねば動けぬ。奴を動かすにはどうすればよい」 「…仲間の仇討ち」 「帝国にチェルルだけではなく、ハクインやリオガンまでもが殺されたとなれば」 「チェルルに関しては死体がないが、死体が無惨ならあるいはな」 「絶対に確保じゃ!」  シウスの鋭い声に、全員が頷き動き出す。  事は、急速に転がり始めている様に思えた。
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