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【おまけ】黒猫を飼い始めました(ハムレット)
騎士団…というよりは、ランバートからのお願いで手負いのテロリストを保護して一週間くらい経つ。
ランバートからのお願いじゃなければ絶対にしないんだけど、「信じてる兄上」と言われてしまったら仕方がない。
保護した青年は、大分毒で弱っていた。環境の悪い所で猛毒の生成をしていたツケがきたんだろう。
運び込まれた時には危なかったけれど、幸いオリヴァー・クックのおかげで今は元気だ。ついでに僕は毒のクックの知恵を見た。ちょっと得した。
彼、チェルルは猫みたいな青年だ。最初の数日はとても警戒して、ご飯もいちいち匂いを嗅いで嫌な顔をしていた。当然だ、解毒作用のある薬草たっぷりの病人食で食感も微妙、味も薄味で薬草の苦みを消す事なんてしてない。体に必要なバランスを保っているんだ。
寝る時も警戒しているのか、少しの物音で目を覚ました。しっかり寝ろと言っているのに。
でも最近は極端に懐き始めた。飼い猫ニアと気が合うのか、一緒に散歩に出たり日向ぼっこしたり居眠りしたり。二匹とも温かく心地よい場所をよく知っている。
「もぉ、どこ行ったのさ」
僕はそんな気ままな猫たちを探している。
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