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「先生も一緒に昼寝しよう。気持ちいいよ」
「ここに二人は寝られないでしょ?」
「先生、温かいから好き」
甘える様に言われるのは、嫌いじゃない。猫みたいに気まぐれに擦り寄ったりするんだ、この子。なのにこっちが構おうとすると気の無い返事。僕は遊ばれてるのかな?
「ほら、お茶の時間にするよ」
「また美味しくない薬草茶でしょ? 嫌だなぁ」
「そう? 残念だな。今日は普通の紅茶にケーキなんだけど」
「ケーキ!!」
ガバリと起き上がったから、ニアが驚いて膝から下りた。ちょっと不満そうだ。
けれど黒猫くんの目は喜びに輝いている。子供みたいに嬉しそうにして、さっさと膝掛けを畳んで椅子から降りた。
「いいの、ケーキ!」
「まっ、頑張ってるしね。たまにご褒美ないと辛いでしょ?」
「うん、辛い! 辛いから肉もっと食べたい!」
「魚と肉と野菜と、バランスよくやってるんだからダメ」
「ちぇ、けちー」
途端ムスッと口を尖らせる。子供みたいな反応だ。
「ケーキいらないの?」
「いる! 今日は肉がいい!」
「どうしようかな」
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