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6月は私の誕生日。それよりも大切な日がこの月にはある。
梅雨の晴れ間に制服を着て電車に揺られている。
持っているのは色とりどりの花束。色とりどりの理由はあの子の好きな色を知らなかったから。
例えば黄色の花を持っていったら『黄色?私別の色が好きなんですけど?』そう言いかねない相手だから文句のないように花屋にある綺麗な花を手あたり次第束にしてもらったわけ。
「これでも文句言ったら承知しないんだから」
電車を降りてバスに乗り継ぎ大きなお寺の前で下車。
広い墓地を迷子にならず『木崎家』の前で足を止めて、桶に入れた水を柄杓でパシャ、パシャ、とかけていく。そしてあの色とりどりの花束を供えた。
「ルナ、久しぶり。と言っても毎月来てるか。
うちのクラスさ、未だに凄くにぎやかなの。もうクラス替えから2ヵ月経ってるのにこれでルナいたら崩壊してたかも。毎日笑ってもう大変」
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