三、ジャンピングアタック(空振り

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Side:穂村 麻琴 「あ、電話きっちゃった」 昨日の残り物で作った炒飯を食べながら、携帯を見る。 今日は、業平がいつもより早く出勤したから速達の書留を私が受け取ったんだった。 中身は開けていないけど、業平のおばさんから電話があったので中身は知っている。 『麻琴ちゃん。保証人の欄、書いといたわよ』 「保証人?」 『ふふ。婚姻届よ。可愛い蝶々のイラストの婚姻届けよ』 いくら用紙が可愛くても、あいつは喜んで名前を書くわけはない。 それに、今日はもしかしたら業平は、決めるかもしれない。 私は親指を卑猥なポーズにして、今日の夜を現した。 まあ、男同士の性交渉なんざ全然想像つかねえよな。男女の性交渉だって、業平任せでシようと思ったわけだし。 「……業平が本当のお姫様になってくれたら、私がナイトとして婚約して地位をまもってあげれたらいいんだけど」 問題は、ジョージさんだ。 私に好意的だったのに、業平と朝帰りってちょっとそれってどうなんだ。 業平に、ふざけた対応したら、ちょんぎってやる。
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