四、休憩タイム

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ジョージさんは、ファイルを開いていくと少し覚えた様子で視線がきょろきょろと動き出した。 「なんで、俺ではなくて、虹村社長にこんなっ」 「怖がらせて悪かったわ。でも貴方が知らなきゃいけないと思ってね。こんなふうに調べ上げられる相手って、地位ある権力者って感じじゃない?」 「……」 ジョージさんはそれ以上見たくないのか閉じると、首を振った。 「本当に、俺って恨みを買うような目立った人生じゃないんです。父親がいないから、未だに弟たちは俺が面倒見てるし奨学金もあるし、母は心も体も弱いし。なんで調べ上げられるのかほんと、わかんないです」 「貴方の父親とかは?」 「俺の父親は、その……相手が分からないって、それ以上聞くと母は泣くし」 「そのファイルには書いてなかった?」 「一応……でもすでに亡くなっているみたいです」 重い空気の中、私のお腹が空気を読まずに鳴った。 二人が、シリアスな思い詰めた表情のままこちらを向く 「ごめ、その……水でも飲んどくから気にしないで」  だって私には関係のない話だし。  曖昧に笑って、冷蔵庫の方へ行く。  水はあったけど、念のために値段を確認すると、水のペットボトルが380円と書いていたのでやめた。
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