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業平は、オレンジ色の髪をいじりながら本当に困ったように目を閉じる。
アシメトリーに左右の長さが斜めに切られ、ピンク色のフレームに真っ赤なネイル、唇はイエローピンクのリップに蝶々のシルエットのつけま。
確かにこのイかれた風貌を見たら、ご両親は卒倒してしまう。
これでバイとかいうんだから、強い。
でも、顔は良い。顔は、今まで生きてきた中で一番整っている。普段の高そうなスーツに変な帽子と見たことない高級外車に黙って乗っているときは、本当にイケメンだ。
少し堀が深くてちょこっと吊り上がった眼と高い鼻が黙っていたらハリウッドスターみたいな。
「うーん。でもやっぱ私は、麻琴ちゃんには愛を知ってほしいのよ。お金じゃなくて、愛のある家庭を知ってほしいって言うか」
「それは愛をいっぱい貰ってるくせに、そんな家庭を作ろうとしない業平に言えないでしょ」
仕方ないので、フリマで買った300円の花柄のスカートを脱いで、上の半額セールで買った白いブラウスを脱ぐ。
「ちょっと待ってちょうだいね。ここ、私の家のリビングよ。そのソファ、私のお気に入りの映画に出ていたブランドメーカーのソファよ」
「そう。じゃあ、ベットに行って、女抱けるか挑戦してみよ」
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