三、ジャンピングアタック(空振り

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うちの会社は、造園の設計、デザインなので、打ち合わせ等でお客様が頻繁に来る。 打ち合わせ室は計三部屋あり、全部埋まることはほぼないので使っていないときは休憩室としてお弁当を食べれたりする。が、今日は珍しく三部屋、時間はずれるものの打ち合わせが入っている。 「うちがこんなに仕事入るの、珍しくないですか?」 カレンダーを見ながらお茶やお菓子の準備をしていたら、社長が苦笑する。 「失礼な。まるでうちが仕事少ないみたいな」 少ないと思っていた。のんびりしているしね。 「多分誰かが紹介してくれたんでしょうね。発言力の多い人か拡散力のある人」 「は、っ」 それなら心当たりがある。蝶々の付け睫毛数百万本売れた、やり手の社長とか。 先日、ワインに飲み物を混入するというほぼ犯罪に待ったなしの行為までして、アシストしたのに、ぐっすり眠ってしまった業平だ。 あの日、朝起きたらジョージさんはおらず、代わりにベットで突っ伏して泣く業平の姿があった。 何も身にまとっていない業平は、引き締まった、シミ一つないおしりをさらけ出して泣いていた。
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