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一瞬目が点になってしまった。
まったくもって、質問の意味が分からない。
「どんなって……どういう意味?」
『――』
返ってきたのは、どこか重い沈黙。たっぷり五秒……十秒。さすがに不安になった。
「や、大和?」
『いや……ごめん。なんでもない』
やっと返ってきた大和の声は小さい。なんとなく気まずい雰囲気に、わたしはあえて明るい声を出した。
「別に謝って貰わなくてもいいけど。何? 葵がどうかしたの?」
『……葵、か』
ポツリと返された呟きが、わたしが「葵」と呼び捨てたことに対してのものだと気付き、慌てた。
「あ。あのね、葵が――あの人がそう呼んでいいって言うから、つい。同じ年だって言ってたし……た、他意はないよ?」
『わかってる。別に、いいよ』
小さく笑う気配がした。その柔らかな気配はいつもの大和のもの。それにはホッとしたものの……。
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