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一つ大きく息をつき、再びベッドに横になる。
……やっぱり大和、ちょっと変だった。
好きだ、とか言われたことじゃない。大和は時々そういうことを口にする。その度にドキドキさせられてあたふたするわたしを、大和は「いい加減に慣れて?」と笑うのだ。
だから、変だと思った原因はそれじゃない。
「大和、葵を気にしてた……?」
わたしが二人で一緒に帰ったから? だけどそれは当然大和も知ってて……だったらなぜわざわざ電話かけてきたのだろう? あの聞き方……まるで、葵とのこと探るみたいだった。
そこまで考えて、わたしはブンブンと頭を振った。大和が葵とわたしのことを探る? そんなこと必要ない。意味がない。でも、だけど……。
「……あーもうっ!」
ゴロゴロとベッドの上を転がった。なんだかモヤモヤとして気分がまったくスッキリしない。
今日はずっとこんな感じだ。ずっと何かを考え続けている。
そして、その全てが「久遠葵」という人に関係することだ。
初対面の時の、妃実ちゃんの反応。
突然バイト先にやってきた葵。
救急車のことを聞いた時の両親の反応。
そして、大和からの電話。
脳裏に、葵の綺麗な顔が浮かんだ。「里珠」とわたしを呼ぶ声が甦った。懐かしさ感じる眼差しを思い出した。
「ああ、また……」
胸が痛い――セツナイ。
その感情を持て余し、ギュッと固く目を閉じた。
葵。どうしてあなたを見るとこんなに胸が痛むのだろう。
ただその答えが知りたかった。
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