タイムマシンを作ってみれば

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 *  だが、現代に帰った私を待っていたのは、またしても悲劇だ。  私は大勢の子どもの前で間宮を殺した。警察はかんたんに犯人をわりだしたらしい。  私は十年前、殺人犯として投獄されていた。  ここにいる私ではない。十年前のだ。タイムマシンを造る以前の。  私の自宅は無人になっていた。塀や家の壁には、人殺し、死ね、死刑などの落書きが書かれ、窓は割れていた。家のなかも荒らされていた。  ショックだったのは、愛花の遺影が仏壇に飾られていたことだ。おそらく、殺人犯の娘として過酷な日々をすごし、心労から病気になったのだろう。あるいは、自殺……。  ダメだった。  また、愛花を救えなかった。  愛花と間宮のあいだには見えない糸でもあるかのようだ。どちらかが死ねば、残されたもう一方も死んでしまうというのか?  いや、そんなはずはない。  私のやりかたが悪かっただけだ。  この方法ではいけなかったのだ。  では、どうすれば、よかったのか?  誰も傷つけず、愛花を守るためには?  間宮の独裁を、殺戮を阻止するためには?  私は考えた。  そして、決心した。  この方法しかない。
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