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写真集は、服飾モデルとしての作品が半分、それから俳優さんの写真集の様なセットの中で撮った作品が半分というものになるらしい。 そのため、まずは服飾モデル的な写真を今日撮る。 最初はいつもと同じものでという配慮なのだろう。 だけどそれが逆にいつもとの違いが明確に見えてしまって怖くなった。 だけど、多分もう大丈夫。 スタジオの後ろで見ている斎藤君と目があうと少しだけ笑顔を浮かべてくれた。 衣装を着て知らない人にメイクをされる。 お礼を言うと少し驚いた顔をされる。 ライトの下に立つとやっぱり眩しい。 もう、後ろの方にいる斎藤君は見えない。 けれど、絶対に彼は僕を見ていてくれる。だから頑張ろうと思った。 「リラックスしてね。」 「はい。」 カメラマンさんは相変わらず優し気な口調で僕に話しかけてくれる。 この場にいるすべての人が僕のために協力してくれている。 だからせめて精いっぱいやろうと思う。 「手で頬に触れて。」 指示を受けてポーズをとる。 カメラマンさんの視線が刺さる。 今でも他人の視線は怖い。 だけど、自分が何が怖いのかちゃんと分かっているし、それでいいって言ってくれる人もいる。 自然と笑みがこぼれた。 怖いのに笑うなんておかしいかもしれないけれど、でも微笑んでしまったのは事実だ。
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