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公私混同と言われてしまうのかもしれないけれど、まだ狭い世界にいるって言われてしまうかもしれないけれどそれでも僕はやっぱり斎藤君に見て欲しかった。 「ソウ、視線こっちに頂戴。」 カメラマンさんの指示に従ってそちらを見る。 遠くを見るみたいにとか、睨みつけてみてとか、悲しい事考えてみようかとか色々指示をされる。 本当は駄目なんだろうけどカメラを構えているのが斎藤君だと思うと何も怖く無かった。 指示された通りの表情になる様に頑張る。 ポーズもなれないものも多かったけれどなるべく綺麗に見える様に指示に従う。 「OKよ。最高だわ、ソウ。」 興奮した様子でカメラマンさんに話かけられ頭を下げた。 嬉しい。すごく嬉しかった。 だけど、それを上手く言葉にできない。 「今日はとりあえずここまで。 明日もうちょっと色々撮りましょう?」 いつの間にか姉が近くにいて「ちーちゃんすごく良かったよ。」と笑った。 ふわふわする。まるで自分の足で立っているのかも分からない位、ふわふわとして嬉しいのと今まで気が付かなかった疲労とそれから充足感でいっぱいだった。 「斎藤君、見てくれてた?」 「勿論。」 こちらに歩いてきた斎藤君に聞くと笑顔で答えられる。 「そっか、良かった。」 嬉しくて笑顔を浮かべる。 それから斎藤君のところに行こうと一歩前へ出ると、ぐにゃりと地面が歪んだ。 「おい。」     
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