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モデルを始めたきっかけは、両親が亡くなったり、お祖母ちゃん譲りの金髪と碧眼の所為で苛められていて、引きこもりになっていた俺を、東京でデザイナーをやっていた姉さんが呼び出したところから始まった。 姉さんの立ち上げたブランドの事務所兼作業場兼倉庫、まあ、とにかく全機能を無理矢理詰め込んだマンションの部屋に来ると、姉さんは隈が深く刻まれた完全に座った目で言った。 「ちーちゃん、これを着るのよ!!」 元々、姉には絶対服従が浸みこんでいたし、あまりにも死んだ魚のような目をしている姉の雰囲気に押され、渡された服に着替えた。 着替え終えた僕を見た姉は 「ふ、ふふっ、ふふふふ…。完璧だわ、私って天才ね。」 と狂ったように笑いながら自画自賛をしつつ、どこかに電話をしていた。 ちょっと髪の毛もいじるねと言われ、椅子に座って姉の自由にさせる。とにかく逆らっては駄目だ。僕の根幹部分にそうインプットされている。 「メイクは要らないわね」と言われまさかそんなことまでするつもりだったのかと冷や汗が流れた。 暫くすると現れたのは姉さんの恋人で現在は婚約者の結城 大吾さんだった。     
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