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香水のプロモーションが好評だったという事で姉の会社はいつも以上にあわただしい。
当然、僕も雑用に駆り出されている。
それから、斎藤君もバイトとして走り回っているようだ。
大吾さんが斎藤君の事をとても気に入ったようで、姉の会社以外でもアシスタントとして入っているようだ。
かなり忙しいみたいだけど体大丈夫かな。
学校でそれとなく聞いてみたけど、むしろ撮影現場について行かせてもらえてありがたいと言われてしまった。
本当に楽しそうだ。
斎藤君の撮った写真も見せてもらったけど、どの写真も上手く言葉に表せないけれど本当にきれいで、繊細という言葉がぴったりな作品ばかりだった。
少し、斎藤君に撮られる被写体がうらやましくなった。
その中の一枚、恐らく何か植物のつぼみを撮ったのであろう物に視線が行く。
それを手にとってじっと見る。
「何、それ気に入ったのか?」
斎藤君に問われ、頷く。
「えっと、なんていうか、この写真の空気が好き。」
「空気?」
「あ、ごめん。変かな。なんていうかこの写真の雰囲気というかなんていうか……。」
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