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自分自身信じられない事だったけど、僕の写真がネット上に公開されると、じわじわと火が付いて、これは誰だ?という事になった。
僕は、かなり成長が早かった事もあり、写真の人物は中学生には見られていなかった。
そもそも、僕はほぼ引きこもりのような生活で叔父の家にお世話になっていたので、誰も僕を見ることは無かったのだけど……。
時々、姉の家に呼ばれては、モデルとして写真を撮られる。
そんな生活は1年ほど続いていて僕は中学3年になっていた。
「ねえ、ちーちゃん、こっちに出てきて私と暮らさない?」
中三の初冬、僕は姉にそう切り出された。
でも、姉には結城さんという恋人がいて、僕がいればきっと邪魔になる。
俯いて、何て答えればいいのか、ぐるぐると考えていた。
そんな僕の内心も姉にはお見通しだったようで
「ちーちゃん、大吾の事は気にしなくていいのよ。それに、ちーちゃんのおかげで、うちのブランドも知名度が出てきて経営も安定してきたから、もう少し広い所に移ろうと思っているの。そこにちーちゃんの部屋も準備してあるから。高校に行くにしたって、今と違う環境の方が心機一転通いやすいと思うし。」
と言った。
高校か……。
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